「この世界の片隅に」を楽しみにしていたなぎママです。来週いよいよ最終回。ドラマが終わってしまうのはさみしいですが、どのような最終回になるのか楽しみでもあります。榮倉奈々さんが演じている時代(現代版)は、マンガではない設定なので「その後」が気になる原作ファンにとっても楽しめるかもしれませんね(^_-)-☆。
※ネタバレあり。
何のための戦争、誰のための戦争だったのか
8月15日、北條家でご近所さんとともにラジオに耳を傾けるすず。電波が悪いのでところどころ途切れながらではあるが日本が敗戦したことを知ります。「ほうか、戦争は終わったのか」とどこか拍子抜けのような人たちにすずは本音を叫びます。
まだ左手も足も、この体もあるのに、まだ戦えるのに。最後の一人になるまで戦うんじゃなかったのですか。
亡くなった人たちの「死」を無駄にしたくない、という気持ちからあらわれた言葉でしたがそのことは日本に怒りを抱えたすずでさえも口にしない、そこに「日本は神の国、天皇は神さま」と信じていた時代が投影されているように見えました。
実家のある広島市内へむかえないジレンマ
実家の家族が住む広島市内にとてつもない新型爆弾が落ちた、ということしか情報の入ってこないすず。家族の安否が気になるが行く術がない。行きたくても物理的に行けないいらだち、ジレンマ、いまならわかります。自然災害で被害にあわれたご家族も同じですよね。行く術がない。テレビでも詳細がわからない。時代に関係なく、自分はなんて無力なのだろうと思ってしまいます。

「うちは絶対に強くなる。強くなりたいんじゃ。」とつぶやくすずの気持ち、悲しみの中から生まれた言葉になんだか切なさを感じます。
すずから学ぶべきこと
ドラマを見終わり、ふとわれにかえると身の回りにはテレビやエアコン、クーラーのきいた部屋。冷蔵庫をあければ食べるもの、飲み物があります。その世界で慣れしんでいるので普段なら何の感情もわきません。でも、すずの世界を垣間見て自分なりに学んだこともあります。今の暮らしはけして「普通」でも「当たり前」でもない。
誰かに支えられて暮らしている、生きている。
本当はそこが一番大切なことなのに、忘れてしまう。平和が続けばその素晴らしさを忘れる、感謝をしなくなる、なんだか皮肉ですよね。
だから忘れてはいけない
だから私たちは忘れてはいけない。すずの生きていた時代が今の私たちの暮らしを支えていることを。忘れないようにすることが一番苦手な私たち、新しい時代に進むことももちろん大切ですが、絶対に忘れちゃいけない過去があることも頭の隅に残しておかないといけませんね。
「この世界の片隅に」は、そんな普段考えなかったいろんなことを考えさせられたドラマでした。

