NFLは開幕まで6週間ほどとなり、各チームトレーニングキャンプが始まりました。いよいよチームとしての今シーズンのカタチを作っていく時期。しかし、毎度のことながら今年も契約を巡ってキャンプをホールドアウトしている選手が出てます。
その辺りの僕なりの見解を書いてみます。
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トレーニングキャンプに影響する契約問題
そもそも、1日不参加するごとに罰金が発生するのになぜトレーニングキャンプ参加をボイコットするのか?
それは、新契約それも保証額の大きな複数年契約を結びたいから。あるいは以前に結んだ現行契約額に物足りなさを感じて契約の改定を望むから。さすが契約社会アメリカ。そしてプレーヤーおよび代理人たちの強烈なまでの自負心。
厳格なサラリーキャップの存在するNFL
今年で言えばレイダースのDEカリル・マック、ラムズのDEアーロン・ドナルド、スティーラーズのRBリビオン・ベルなんかがそうですね。一方ファルコンズのWRフリオ・ジョーンズはチーム側が契約改定に合意したんでキャンプには初日から参加することに。
うーむ。こうして名前を挙げただけでも、リーグを代表するスター選手ばかり。存在そのものがチームの勝敗を左右するようなプレーヤー達。
(去年は)こんだけやったんだから、この金額はオカシイだろ!
あるいは、
オレを必要だと思うなら、このくらいは出せよ️
ってのが彼らの言い分。確かに年俸レベルは毎年どころか日々更新されてる現在なので、スター選手としては数年前の金額では現在の成績に見合わなくなったりするのも事実。さらに言えばたとえチームと袂を分かっても、市場にニーズがあり、すぐに他チームから獲得の打診があるハズとの思惑も。
かくして代理人ともども強気に出ますが、そこは厳格なサラリーキャップの存在するNFL。チーム側も安易に要望には応えられません。双方交渉のテーブルにはつきますが、金額的な隔たりが埋められなければホールドアウトもやむなし。
自分以外の選手の契約交渉を待つNFL独特の手法
そしてこれはNFL独特かもしれませんが、他の選手の契約を待ってる場合も。今年ならドナルドとマックがその状況かと。
どちらも新人契約の5年目オプションが履行されてる状況で、かつ順調過ぎるほどに成長。マックは2016年度の、ドナルドは昨シーズンの最優秀守備選手に選ばれてます。
あとから契約交渉する側は、先に契約を結んだ者の契約内容を交渉に使えますから。 ” 同じポジションのアイツがあの内容なんだからオレも… ” って。後出しジャンケンを狙ってますよねぇ。これは他の競技ではあまり見られない感じがします。
サッカーでも巨額の契約がありますが、移籍の際などにあくまで名門( お金持ち ) チームがプレーヤーを評価してのもので、契約更新の際にここまでの腹の探り合いはないですよね。
ポジション年俸レベルを上げようとする選手
さらに、今年もっとも厄介なのがスティーラーズとベルのケース。ベルは彼自身の評価だけでなくRBというポジションへのリーグ全体の評価も上げてやろうと目論んでるフシがあります。
自分が大型契約を結ぶことでリーグのRBの年俸レベルのハードルを上げてやるっていう雰囲気がプンプン。パス偏重のNFLではパスレシーバーたるWRのほうがRBよりも評価が高いですからね。
ベルの要求は側から見てもかなり高すぎる気がするんで、スティーラーズのベルは今年で最後かな。
まとめ
とまぁ、契約を巡ってはほんとややこしいです。プロスポーツもビジネスですから、契約とお金の話は避けて通れないのはわかりますが、スタープレーヤーが契約でごちゃごちゃするのを目にするとちょいと気になります。
そう考えると、お金の問題じゃない、と言ってプレーするMLBエンジェルスの大谷選手やヤンキース田中選手は、アメリカ人には驚異だしやはり日本人なんだなぁって思います。